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 東京清陵会では、同窓生を講師として
 偶数月に勉強会を開催しています。
 
 
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清陵勉強会第198回

講師:酒井崇裕さん(86回生)
テーマ:『録音の意味論』-レコーディング現場で私が考えてきたこと-

 第198回清陵勉強会は,86回生岡谷市長地出身の酒井崇裕(さかいたかひろ)氏の『録音の意味論-レコーディング現場で私が考えてきたこと-』です.
  コロナや猛暑などを考慮しつつ、皆様の要望を受けてハイブリッド開催します。
リモートでの音声の改善など課題もありますので、ご無理のない範囲で可能な限り現地での参加をお願いいたします。

今回より会場が変更になっていますので、ご注意ください。

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講演概要

“時間の流れの中で消えゆく音を記録することに成功したのは,1877年にトーマス・エジソンが円筒型蝋管による蓄音機を発明したことに始まる.世界初となった録音はエジソン自身が歌って吹き込んだ「メリーさんの羊」であったと伝えられるが、このあまりにも有名な逸話は事実とは異なり、実際には、「メリーさんの羊」の歌詞の朗読であった.エジソンは「声を何かに吹き込んで、後でまた機械に喋らせることが出来ないか」と思いついたのが発明の動機であったそうだ.
このエジソンの話の中に、私達は早くも録音の意味論の萌芽が内包されているのを垣間見ることができる.時間を遡って過去を再生するということ、それは当時の人々にとっては神の御業とも思えるような驚愕すべき体験であったに違いない.それも好きなだけ何回でも過去を再生できるのだ.そして見逃せないのは、エジソンが自伝の中で演出的に述べた「歌を吹き込んだ」という記述である.録音は音声を記録するというだけでなく、既に音楽、つまりは文化芸術を記録する媒体として機能することが予見されている.実際にエジソンは蓄音機発明から2年後に,ブラームスに依頼し「ハンガリー舞曲第一番」などのピアノ演奏を録音している.1887年,エミール・ベルリナーの手によって大量生産に有利な円盤型レコード蓄音機が発明され「グラモフォン」という名で世に登場する.複製頒布の始まりである.神の御業のようだった技術が、広く大衆に浸透し、その後のレコード文化が花開いていくことはご存じの通りである.
そして、現代における録音はレコーディング技術の進化とデジタル技術の登場によってエジソンの時代とは比較にならないほど複雑になっている.複雑怪奇と言っても過言ではない.ひとつ例を挙げるとすれば、編集技術がある.録音を編集するとは、連続する時間の流れを切り刻み、ジグソーパズルのピースを組み合わせるがごとく、新たに連続する仮想の時間の流れを生み出すことができることを意味する.それどころか,実際には起こりえない事象のピースを密かに組み込むことすら可能である.この技術は多くの音楽家やレコード製作者に本質的な問題を投げかけてきた「レコードの虚像と実像」という問題である.少し誇張すれば、イデオロギー的な対立さえ生み出してきたのである.本来、音楽とは二度と生じ得ない連続した時間の流れの中で表現されるものであるという立場と、人間は不完全であるが故、理想的な音楽表現を実現するには、技術によってこれを乗り超えるのだという立場.前者は一回性を重んじ、極端に録音数が少ないチェリビダッケであり、後者は電子の子宮の中で,二度と演奏できないような理想のテイクを録音し続けたグレン・グールドといってもよいであろう.

この勉強会では、録音現場を通じて私が考えてきたこと、また悩んできたこと、そして、今後の展望についてお話をさせて頂きます.一般にはあまり知られていないようなレコーディング現場の様子も具体的な資料を交えながらお伝えし、皆様からのご意見も拝聴しながら有意義な時間を過ごして頂けるようにお話させて頂きます.”

講師略歴

1988年上智大学理工学部卒業.ワーナー・パイオニア株式会社(現・株式会社ワーナーミュージック・ジャパン)洋楽部宣伝課および録音部スタジオ課にてレコーディング業務に従事.株式会社富士通経営研修所にて,マルチメディアコンテンツ制作および出版編集に携わる.2011年より株式会社ソニー木原研究所を経て,ソニー株式会社

R&D管理部経営企画課にて基礎研究所の研究開発のマネジメントに従事.2013年同社退職を機に,フリーランスのレコーディング・エンジニアとしてクラシックの収録を主軸とした「STUDIO407」(https://www.studio407.biz/) を設立し現在に至る.

日 時:2023年10月24日(火)19:00~20:30(質疑応答を含む)
その後、近くで懇親会を設ける予定です。別途ご案内させていただきます。
講 師:酒井崇裕(さかいたかひろ)(86回生):Studio407主宰
演 題:『録音の意味論』-レコーディング現場で私が考えてきたこと-

会 場:「ふれあい貸し会議室:品川」東京都港区高輪3-23-14 シャトー高輪205 No. 87
https://fureai.space/img/no87.jpg(ご確認ください)

定 員:講演会場は定員40名です.

会 費:500円(会場受付でお支払いください)

ご出欠を10月18日(水)までに下記メールフォームにてお知らせください.

https://forms.gle/wUzw4cZuADQZ88ph9

 

最近、アドレス変更などでメールが届かない方がいらっしゃいます。

メールアドレス変更の際は、以下にご連絡ください。

https://forms.gle/LruvS2QefxNGJNyCA

また、同期の方、先輩、後輩もぜひ、お誘いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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特別寄稿「薬学者から見た新型コロナウイルス」五味克成氏(74回生)

清陵勉強会が開催できない中で,一つの試みとして五味氏からの特別寄稿をお送りします.
ご質問があれば,清陵勉強会宛にお名前と質問内容をお送りいただければ,五味氏に伺って後日ご回答する予定です。
また、併せて
Web会議方式でオンライン特別講演を5月19日18時30分から開催します。(終了しました。多数のご参加ありがとうございました。)

どちらも、セキュリティ上、勉強会事務局にお問い合わせください。

seiryobenkyokai@gmail.com
(@を全角に変えてありますので、コピーされる場合は半角に変更してください。)


故寺島亮三氏の講演動画の配信

いかがお過ごしでしょうか。
全くの想定外の事態に、考えさせられること、多いですね。
以下、清陵勉強会より、ご案内申し上げます。

■寺島亮三氏の清陵勉強会での講演

清陵勉強会では、2020年1月16日に逝去された清陵58回生の寺島亮三氏を「偲ぶ会」を計画していたのですが、新型コロナウィルス感染症の蔓延により開催が不可能になってしまいました。

そこで2018年12月18日の清陵勉強会での寺島氏の講演「清陵と私ー戦中・映画『少年期』・そして・・・」をYouTubeで限定公開することにいたしました。
この映像は清陵58回生の宮坂健二氏の撮影によるものです。

ご希望の方は、下記事務局にお問い合わせください。
seiryobenkyokai@gmail.com
(@を全角に変えてありますので、コピーされる場合は半角に変更してください。)


セキュリティーの問題などもありますので、くれぐれもSNSへの投稿等はお控えください。

在りし日の寺島氏を映像とともの偲んでいただければ幸いです。

清陵勉強会世話人一同